轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
なかなかしなぬあいつ
仲々死なぬ彼奴
海野 十三
「探偵」駿南社、1931(昭和6)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,216 字 · 18 页
自然、老人は我儘にもなり、ヒステリーにもならざるを得なかった。
老人には子供はないけれども、親戚は随分と多かった。彼等は常に老人の周囲に出没して、何やかやと世話を焼きたがった。中には親戚というには、余りに縁の遠いものまで交っている始末であって、そういう者に限り、特に親切を老人に売りこみたがった。実際彼等多くの親戚が、この気むずかし屋の癇癪もちの動物的な汚れが浸みこんでいるように見える老人の周囲に出没するのは何も心から、この一人ぽっちの老人を慰めてやろうという意志から出たものではなく、なんとかこちらの親切を認めて貰って、遺産分配の比率を高くして貰おうという魂胆から出発していることは明白であった。老人の気むずかしくなるのも、こうした一面から見て無理のないことであった。
大熊老人は、今までに随分沢山の人を世話したけれど、どれも老人の気に入るようなのはなかった。唯一人、それは唯一人だけ、前に言った喜助だけが気に入りであった。
「お前は一生懸命に勉強して、豪いものになるんだぞ。お金のことなんか考えずに、いいと信じたことをドンドンやってのけなさい。そうすると、お金なんか向うの方から自然に飛びこんで来る。