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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

岡本綺堂『伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:平家蟹、青蛙神、人狼、五色蟹、木曽の怪物、蟹満寺縁起、怪談劇、小坂部姫、小坂部伝説、江戸の化物。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 203,094 字 · 411 页

青空文庫

もある。しかし、小坂部――小刑部とも刑部ともいう――明神の本体が女神であるか無いかという議論以外に、その正体は年ふる狐であるという説が一般に信じられているらしい。なぜそんな伝説が拡まったのか、その由来は勿論わからない。

一体、姫路の城の起源は歴史の上で判っていない。赤松が初めて築いたものか、赤松以前から存在したものか判然しないのであるが、とにかくに赤松以来その名を世に知られ、殊に羽柴筑前守秀吉が中国攻めの根拠地となるに至っていよいよ有名になったのである。慶長五年に池田輝政がここに入って天主閣を作ったので、それがまた姫路の天主として有名なものになった。しかし徳川時代になってからも、ここの城主はたびたび代っている。池田の次に本多忠政、次は松平忠明、次は松平直基、次は松平忠次、次は榊原政房、次は松平直矩、次は本多政武、次は榊原政邦、次は松平明矩という順序で約百四十年のあいだに城主が十代も代っている。平均すると一代わずかに十四年ということになるわけで、こんなに城主の交代するところは珍しい。それはこの姫路という土地が中国の要鎮であるためでもあるが、城主が余りにたびたび変更するということも、小坂部伝説にはよほどの影響をあたえているらしい。