轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
岡本綺堂『伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:平家蟹、青蛙神、人狼、五色蟹、木曽の怪物、蟹満寺縁起、怪談劇、小坂部姫、小坂部伝説、江戸の化物。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 203,094 字 · 411 页
講釈種によって劇に書きおろしたのであった。今度もわたしは尾上松助老人について何か心あたりは無いかと訊いてみたが、老人もやはりかの歌舞伎座当時の話をして、自分も多年小坂部の名を聴いているだけで、その狂言については何にも知らないと云っていた。
小坂部の正体が妖狐で、十二ひとえを着て姫路の古城の天主閣に棲んでいて、それを宮本無三四が退治するというのが、最も世間に知られている伝説らしく、わたしは子供のときに寄席の写し絵などで幾度も見せられたものである。こんなことを書いていながらも、一種今昔の感に堪えないような気がする。
そういうわけで、芝居の方では有名でありながら、その狂言が伝わっていない。そこを付け目にして、わたしは新しく三幕物に書いて見たのであるが、何分にも材料が正確でないので、まずいろいろの伝説を取りあわせて、自分の勝手に脚色したのである。
松緑のも菊五郎のも、小坂部の正体を狐にしているのであるが、狐と決めてしまうのはどうも面白くないと思ったので、わたしは正体を説明せず、単に一種の妖麗幽怪な魔女ということにして置いた。したがって、あれは一体何者だと云うような疑問が起こるかも知れないが、それは私にも返答は出来ない。