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さっかはせんそうちょうはつとたたかう

作家は戦争挑発とたたかう

宮本 百合子

「文学新聞」1949(昭和24)年8月15日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,538 字 · 4 页

青空文庫

花山信勝の「平和の発見」が、そこに一つも平和への誠意がないことを批判されつつ特に九州や東北の農村でひろくよまれているし、ソ同盟からの復員者たちは、船から上陸する前に、まず、次の戦争への挑発にあっている。人民生活の収奪のひどさに苦しむ一般の感情に乗じて、きょうの日本のファシストは左からぐるっと右へまわった愛国主義の鼓舞、民族主義、内閣打倒を思っている。

丹羽文雄氏は、作家として戦争に反対する立場を社会に向って明らかにした。したがって作家として本質的な作品に関しても、その社会的立場と一致した関心がはらわれるのが自然であると思う。一切私が口を插まないという態度が、作家の客観性を保証することでないのは自明である。丹羽氏は現実に対して作家の人間的自主的な評価の責任を放棄した過去の受動的リアリズムをすてて、「生きかたの問題」としての文学創作に歩み出ているのであるから、文学作品と、こんにち日本の人民にとって最も悲劇的な軍国主義の復活、戦争挑発の影響の関係について、真剣な考慮を払うべきである。作家は自身の文学の現実によってこそ、ファシズムと戦争挑発に反対する仕事をすすめなければならない。