轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しゅんかん

俊寛

倉田 百三

「新小説」1919(大正8)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,192 字 · 88 页

青空文庫

俊寛 あゝ、わしはわしは。(慟哭す)

有王 おなつかしゅうございました。(愛憐の情に堪えざるごとく)あなた様のこのお変わりようは!

俊寛 わしの姿を見てくれい。

有王 あゝいたわしや、ご主人様。よく生きていてくださいました。どうしてこの十年をお過ごしなされました。この荒い島で、ただ一人で。(泣く)

俊寛 わしは餓鬼のように暮らしてきた。どうして生きてきたか自分にもわからない。すべては困苦と欠乏と孤独と、そして堪えられない侮辱だった。

有王 ここでお目にかかろうとは!

俊寛 夢だ! 悪い、長い夢だ。

有王 今生でふたたびお目にかかれるとは。あゝありがたい。

俊寛 この変わりはてたあさましい姿をあわれんでくれ。

有王 ご主人様、もはやご安心なさいませ、私がまいりました。あなたの手足のように忠実な有王めでございます。

俊寛 (有王を抱きすすりなく)

有王 私の心は昔と寸分変わりませぬ。あなたが都をおたちなされてから、苦しい長い日がつづきました。あゝ長い長い日が、わたしはどんなにあなたのことをお案じ申したか、先年鬼界が島の流人たちがきょうは都へ上ると聞いた時、私は夢かとよろこんで取るものもとりあえず鳥羽までまいりましたけれども、康頼殿と成経殿の輿は帰ったけれども、あなた様は一人鬼界が島に取り残りなされたと聞いた時、私は絶えいるばかり