轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぞくしゅう

俗臭

織田 作之助

「海風 第五巻六号」海風社、1939(昭和14)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,630 字 · 70 页

青空文庫

商売人の娘は商売人に貰ってもらえばいゝのだ。いっそ厚子を着た商売人に娘をやれとそう政江に言ってやろうか。あんたは娘の身になって考えないと来るだろうな。が、商売人ほど良いものがあろうか。現に商売人なればこそ此のわしは百万円の金をこの腕で作ったのだ。――以上が、政江の話をきいている時権右衛門が考えたことの概要である。考えることにより、権右衛門は怒りを押えていたのだ。政江にいってやるべきいろ/\な言葉を思い付くことによって、辛うじて疳癪を押えていた訳である。殊に最後の「百万円」を考え付くことはこの際、大変効果的だった。

政江はくど/\と千恵造達の離婚の必要を説いた。が誰も返答らしいものを言わなかった。この人達は薄情だと政江は思った。彼女だけが娘のことを心配しているのである。娘程可愛いゝものがあろうか。政江は再び同じことを飽きもせずに繰り返えすのだ。熱心の余りいいすぎたと思った彼女は、

「何も私は義弟さんのこと悪いう積りやおまへん」

と最後に附け加えた。前後二回いわれたので、この言葉は権右衛門の注意を引いた。なるほど、千恵造は血を分けた弟であったのだ。この想いは、他の弟たちの前であるだけに一層権右衛門の心を動かした。