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はいくとはどんなものか

俳句とはどんなものか

高浜 虚子

「ホトトギス」1927(大正2)年5~10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 51,046 字 · 99 页

青空文庫

夜になって大空を見渡しますと、その晴れ渡った秋の空に天の川がかかって遠く沖にある佐渡が島の方に流れております。そこをとって芭蕉はこの句にしたのであります。

次に

舟人にぬかれて乗りし時雨かな  尚白

どこということは別に明白ではありませんが、仮に近江の矢走の渡とでもしましょうか。どこか降りそうな空合でもありましたが、また明るくなって持ちなおすらしい模様でありました。船頭に聞いてみますと、「なあに大丈夫だ。」とか何とか平気で答えます。それならばということで渡舟に乗って湖の半辺まで漕ぎ出しますと俄かにまた空模様が変わってざあと時雨が降ってきた。こんなことならこの渡は渡らずに少々遠くとも瀬田廻りをするのであったのに。船頭にだまされてつい船に乗ってしまった、とこういう意味であります。

さてかく解釈してみますと、それで各々の句の意味だけは無造作に判ったことになりますが、初めて俳句に接したものにあっては同時に一つの大きな疑問が起こらなければなりません。というのは、たとえば第一の句についていうと、「鶏の声も聞こゆる」という十二字と「山桜」という下の五字との間に何の連絡もないのにかかわらず、前解のごとく、「山に行って花見をしている」