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はいくとはどんなものか
俳句とはどんなものか
高浜 虚子
「ホトトギス」1927(大正2)年5~10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 51,046 字 · 99 页
根太が疼いたり、匂いは花になくて鼻にあったりするのにくらべたら、いささか感情の上に一進歩を認めるべきであります。なおさらに数歩を進めている句の一例は、
西行像賛
秋はこの法師姿の夕かな 宗因
などでありまして、これらの句になると後の芭蕉一派の句の塁を摩しているといってもいいのであります。がしかしあまり詳しくは申しますまい。暗黒! 暗黒! 大体の概念を得るためにはかえって大綱だけの明所をにぎっていくに限ります。私はここでもまた宗因の名前だけを白く残しておいてそのほか一切のことはすっかり黒暗々のうちに葬っておきましょう。
次にぱっと明るくなってくるのが松尾芭蕉であります。(36)
松尾芭蕉は俳諧をいわゆる滑稽俳諧の境地から救い上げて、寂、栞の境においたのであります。(37)
滑稽といい俳諧という字義は洒落ということにすぎないのであります。宗鑑、守武、貞徳、宗因等の人々は、優にやさしい和歌、連歌から別に一派の俳諧を分岐せしめるためには俗語を使用し、俗情を直叙して洒落滑稽を主としなければならなかったのでありますが、芭蕉はさらにそれを再転して、その滑稽、俳諧の奥に潜んでいる人生の寂し味に手をつけたのであります。