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はいくはかくかいしかくあじわう
俳句はかく解しかく味う
高浜 虚子
「俳句は斯く解し斯く味ふ」新潮社、1918(大正7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,016 字 · 144 页
と言った句法が巧みである。
五月雨や船路に近き遊女町 几董
五月雨の降っておる海岸か、もしくは川っぷちに在る遊女町のことを言ったので、出船入船のあるその船路に近い遊女町は、五月雨の鬱陶しい中にもなお絃歌の声が聞えておる。流連の客もかえって雨のためにある位であるけれども、さすがに何処となく物淋し気で一種の哀れがあるとでもいうのであろう。そういう感じの方は読者の随意に任すとして、とにかく船路に近い五月雨の遊女町というものをつかまえて来て、人々の前に突出したところに、この句の働きはあるのである。以上で天明の句はおしまいとする。
五月雨の合羽つゝぱる刀かな 子規
これは維新前の士の道中などを想像したもので、五月雨のため合羽を著て歩いていると、刀が定めて突張るであろうというところから出来た句である。維新前の人であったら余りありふれた事で、そんな事は句にしようとも思わぬかも知れぬのであるが、その時代を過ぎ去って見ると、こういう事を句にして見て何処やらその時代をなつかしむ心を満足さすのである。
椎の舎の主病みたり五月雨 子規
椎の舎の主というのは誰の事を言ったものともわからぬが、とにかくこの文字から想像のつく通り、大きな椎の木のある家の主人に違いない。