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「はいかいたいよう」かいせつ
「俳諧大要」解説
柴田 宵曲
「俳諧大要」岩波文庫、岩波書店、1955(昭和30)年5月5日第1刷
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,995 字 · 7 页
この前後の居士は、病苦が漸く募って来たのと、歌の方面に力を分つ関係もあって、俳論俳話の数を減じ、たまたまあるものも短篇が多い。やや長いものとしては同じ年の三月『ホトトギス』に載せた「糞の句」と、この「俳句上の京と江戸」とがある位のものである。進んで三十四年に入ると、「病牀俳話」という短い問答体のものが一つあるだけで、俳句に関する意見も『墨汁一滴』の中で折々述べるというようになった。三十五年には「獺祭書屋俳句帖抄上巻を出版するに就きて思ひつきたる所をいふ」一篇以外に何もない。これは標題が長いのみならず、全体の分量も全集にして十七ページに達している。但しその内容は子規居士がはじめて自分の句集を世に出すに当り、回顧的に感想を述べたものだから、従来の俳論俳話とは少しく種類を異にする所がある。「俳句上の京と江戸」はその点からいって、最後の長篇とすべきであろう。『種ふくべ』が京都から出る最初の俳句雑誌であったために、居士は特にこの題目を取上げ、力を入れてこの一文を草したものと思われる。
徳川時代における俳句界の中心が京であるか、江戸であるかということは大問題である。