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ロンドンとう
倫敦塔
作者留学伦敦时只去过一次塔,之后再也不去。那段日子他像被扔到日本桥的兔子,靠地图和问路才能找到地方,每次都像冒险。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,166 字 · 33 页
彼は鴉の気分をわが事のごとくに云い、三羽しか見えぬ鴉を五羽いると断言する。あやしき女を見捨てて余は独りボーシャン塔に入る。
倫敦塔の歴史はボーシャン塔の歴史であって、ボーシャン塔の歴史は悲酸の歴史である。十四世紀の後半にエドワード三世の建立にかかるこの三層塔の一階室に入るものはその入るの瞬間において、百代の遺恨を結晶したる無数の紀念を周囲の壁上に認むるであろう。すべての怨、すべての憤、すべての憂と悲みとはこの怨、この憤、この憂と悲の極端より生ずる慰藉と共に九十一種の題辞となって今になお観る者の心を寒からしめている。冷やかなる鉄筆に無情の壁を彫ってわが不運と定業とを天地の間に刻みつけたる人は、過去という底なし穴に葬られて、空しき文字のみいつまでも娑婆の光りを見る。彼らは強いて自らを愚弄するにあらずやと怪しまれる。世に反語というがある。白というて黒を意味し、小と唱えて大を思わしむ。すべての反語のうち自ら知らずして後世に残す反語ほど猛烈なるはまたとあるまい。墓碣と云い、紀念碑といい、賞牌と云い、綬賞と云いこれらが存在する限りは、空しき物質に、ありし世を偲ばしむるの具となるに過ぎない。