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『けんこうかいぎ』そうさくせんひょう

『健康会議』創作選評

宮本 百合子

「健康会議」1951(昭和26)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,566 字 · 5 页

青空文庫

その点を作者ははっきりつかんでいない。抒情的にまとめられたのは却って弱くしている。

「やもめ倶楽部」には、闘病者が永年の間に経済問題から家庭を失ってゆく過程と心理とが描かれてゆく。これも、実に多いケースの物語であろうと思う。病者の孤独、そこにこもって孤独に耐えようとすることから主我的になってゆく心。孤独は「宿命」であるとして観念的になってゆく存在が、一つの転機をもって、孤独なもの同士のクラブをつくって人間らしさをとりもどしてゆこうとする。村田という病む人物と妻美津子との切ない関係は「縫い音」と対蹠する。村田の生きようとしてすさまじくなった心理も描かれている。この作品にも他の作品にもリルケの詩を愛読することがかかれている。その文学趣味のありかた本質について、作者は考えて見てよいのではないだろうか。

「秋空」      三津木静

「春龍胆」     若宮ふみ子

「何日かは春に」  大橋重男

「秋空」は、まとまっているけれども、後半で女主人公が、自分からはなれたはじめの愛人吉村の心にもどってゆく、その心の過程が、感情の推移を語るにとどまっている。こういう場合、女主人公の吉村に対する心、自省、人間の生きてゆく態度について、より深い省察があると思う。