轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちゅうとう
偸盗
独眼武士在酷暑街头拦住一个怪婆婆,追问昔日恋人“沙金”的下落。一次偷盗让他们的命运纠缠不休,真相却比天气更灼人。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 48,934 字 · 97 页
――それを、沙金が、かたわらからそっとささえた。十余人の盗人たちは、このことばを聞かないように、いずれも唾をのんで、身動きもしない。と、沙金が顔を上げて、赤子を抱いたまま、立っている交野の平六の顔を見て、うなずいた。
「啖がつまる音じゃ。」
平六は、たれに言うともなく、つぶやいた。――猪熊の爺は、暗におびえて泣く赤子の声の中に、かすかな苦悶をつづけながら、消えかかる松明の火のように、静かに息をひきとったのである。……
「爺も、とうとう死んだの。」
「さればさ。阿濃を手ごめにした主も、これで知れたと言うものじゃ。」
「死骸は、あの藪中へ埋めずばなるまい。」
「鴉の餌食にするのも、気の毒じゃな。」
盗人たちは、口々にこんな事を、うす寒そうに、話し合った。と、遠くで、かすかに、鶏の声がする。いつか夜の明けるのも、近づいたらしい。
「阿濃は?」と沙金が言った。
「わしが、あり合わせの衣をかけて、寝かせて来た。あのからだじゃて、大事はあるまい。」
平六の答えも、日ごろに似ずものやさしい。
そのうちに、盗人が二人三人、猪熊の爺の死骸を、門の外へ運び出した。外も、まだ暗い。