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ぼくたちはあいするけれど

僕たちは愛するけれど

小川 未明

「子供テキスト」1934(昭和9)年10月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,937 字 · 6 页

青空文庫

「誠さんおいでよ、ねこの子がいるから。」と、二郎さんが、染め物屋の原っぱで叫びました。

誠さんにつづいて、二、三人の子供らが走ってゆきますと、紙箱の中に二ひきのねこの子がはいっていました。

「だれか、捨てたんだね。」

「橋の上に置いてあったのを、三びきジョンが食い殺したのだ。」

「悪いジョンだね、いじめてやろうか。」と、誠さんや、正ちゃんがいいました。

「茂さんが怒って、ジョンを河の中へ突き落としたんだよ、ジョンのやつ、クンクンないて逃げていってしまった。」と、二郎さんが、告げました。

「かわいらしいね。」と、新ちゃんや、年ちゃんが、ねこの前にしゃがんで、頭をなでてやりました。

「おなかが空いているから鳴くのだろう。」

「僕、ご飯を持ってきてやるから。」

新ちゃんは、家へ駆け出してゆきました。ご飯にかつお節をかけて、おさらに入れて持ってきました。一ぴきは、小さな頭を振って食べました。一ぴきは、箱のすみでふるえていました。

「かわいそうだね。」と、誠さんが、二ひきの子ねこを見ながらいいました。

「晩に雨が降れば死んでしまうね。」

「僕たち、雨の当たらないように、お家を造ってやろうか。