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ぼくたちはあいするけれど
僕たちは愛するけれど
小川 未明
「子供テキスト」1934(昭和9)年10月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,937 字 · 6 页
あちらに、お菓子屋のきみ子さんがいました。いつかいじめたので、二郎さんは、顔の四角な、鼻のとがった父親からしかられたことがあります。しかし、いまはそんなことをいっている場合でないから、
「きみ子さん、ねこの子を一ぴき飼ってくれない?」と、二郎さんが、いいました。
「わたし、ねこ大好きよ。家へいってきいてみてくるわ。」といって、かけ出してゆきました。
「あいつ、ときどき生意気なんだよ。」
「だけど、ねこを飼ってくれたらいいね。」
そこへ、きみ子さんは、顔を赤くしてもどってきました。
「お母さんが、飼ってやるって。」
「それは、ありがとう。」と、誠さんは、箱の中から、一ぴきとり出して、
「これがいいだろう。」と、きみ子さんにききました。黒と白のぶちのかわいらしいやつです。きみ子さんがねこを抱いてゆくと、誠さんも二郎さんもいっしょにゆきました。
「牛乳をやっておくれ。」と、誠さんが、いいました。二人は、喜んでそこから出ると、
「もう、あと一ぴきだ。」といいました。けれど、一ぴきもらい手があったことは、どんなに二人を勇気づけたでしょうか。
荒物屋の前に、若いおばさんが、赤ちゃんを抱いていました。