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あにとさかな

兄と魚

小川 未明

「こくみん三年生」1940(昭和15)年12月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 1,727 字 · 4 页

青空文庫

「いい兄さんだな。」と、思いました。

「川でとってきてから、こんなに長くいたんだもの、あとの二匹を殺しちゃ、僕たちが悪いのだよ。どうかして、この冬を越すように、かわいがってやろうね。」と、兄さんはいいました。

正二も、そうだと思いました。部屋へおくようになってから、寒い晩は、水をこおらせないようにしました。また、お天気になると、縁側へ出して、日の光に当ててやりました。

ある日、正二は、雑誌にのっているお話を読んでいるうちに、おやと、びっくりしました。なぜなら、それには、こう書いてありました。

「私は死んだ金魚をどぶの中へ捨てる気にはなれませんでした。穴を掘って木の葉をしき、その上へのせて、また葉をかけて土にうめてやりました。」

「うちの兄さんと同じことをしたのだ。なんというふしぎなことだろう?」

正二は兄のところへかけてゆくと、

「兄さん、これを読んでごらんなさい。」と、雑誌を出しました。

「なんだい、童話だね。そんなにおもしろいのかい。」

「ここんところだよ。」と、正二は、書いてあるところを指さしました。

兄は、黙って読んでいました。しばらく、なにもいわずに考えていましたが、そのうちに、