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やさかにのまがたまこう

八坂瓊之曲玉考

喜田 貞吉

「歴史地理 第六一巻第一号」1933(昭和8)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,858 字 · 26 页

青空文庫

先般渡琉のさい島尻郡高嶺村〔(豊見城村)〕なる西銘ノロ(女巫)家についてその佩玉を見、これに関して聞いたところによると、この家では緒に通した連珠そのものを玉ガハラとはいうが、個々のいわゆる曲玉については特別の名称なく、他の丸玉などと同じく単にタマと言うだけだとのことであった。また国頭郡今帰仁村今泊で見た旧按司家阿応理恵所伝の佩玉は、二十二個のいわゆる曲玉と、多数の水晶製丸玉とを交えて、きわめて見事なものであるが、これを納めた袋に、

玉かはら一連。内かはら一、大形。かはら二十一、小形。水晶之玉百十一。昭和四年四月四日現在。

と書いてあった。阿応理恵家では今もその一連の玉全体を玉ガハラと呼んでいるのである。しかしてこれを区別していえば、わがいわゆる個々の曲玉を単にカハラと呼んでいるので、この点いささか西銘ノロ言うところと相違してはいるが、ともかく連珠そのものを玉ガハラという点においては、沖縄島の南端と、北端と、ともに一致しているのである。しかしてその玉ガハラは、言うまでもなくカハラ玉の転訛で、八重山でいうところのガアラ玉に当り、沖縄でも古くそれをカハラと呼んだことは、古文書に証拠がある。