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きょうさんとうこうはんをぼうちょうして
共産党公判を傍聴して
宮本 百合子
「働く婦人」日本プロレタリア文化連盟、1932(昭和7)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,846 字 · 10 页
新聞では、こんどの帝国主義戦争がはじまってから、公判記事をまるでのせない日さえあるように狡く立ちまわっています。党員たちの闘争力と大衆の力で、形ばかりの公開公判をやっていてもブルジョア政府は、たじたじの姿を見せたくないから、公判廷の小さいこと! きっと大勢押しよせれば入れ切れないというのを口実につかうでしょう。
私は、始めのこわいものみたさのような心持はなくなり、逆に、なぜわたし達のような働く婦人まで共産党というとおっかないもののように思わされていたかという訳がまざまざわかったように思いました。共産党がこわいのは、私たちにとってではないのです、搾取している彼等にとってこそこわい力なのです。
渡政のおっかさんは最前列に腰かけて、時々愉快そうに笑ったり、キッと注意をかたむけたりして一つもきき洩すまいとしています。私は、演説の間思わず本当にそうだ! と手をたたきたくなったので困りました。どんな工面をしても働く婦人が公判をききにゆかないという法はないと思いました。だって、そうではありませんか。この頃わたしたちが本当にききたいと思うような講演会で中止にならないことはありません。