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きょうやくかいてんだん
共軛回転弾
海野 十三
――金博士シリーズ・11――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,359 字 · 21 页
博士は興味のない顔で次の室へ。
「この大金庫の中には、世界一を呼称する新兵器の設計書袋が五百五十種入って居る」
「ほう、五百五十種もですか」
「そうじゃ。さっき泥的チーア卿が、この中の五十三種を攫っていってしまったよ」
「ええ、チーア卿が……あの、五十三種も……。それはたいへんだ」
「なあに、愕くには当らんよ。もうあと三十分もすれば、チーア卿は後悔するだろう」
「と申しますと……」
「あの五十三種の書類はあと約三十分すれば、自然発火するんじゃ」
「自然発火?」
「そうじゃ。この書類は一定の温度と湿度と気圧のところに在る限り安全じゃ。つまりこの部屋はその適切なる恒久状態においてある恒温湿圧室なのじゃ。したが、一旦他へ搬ばれ温度と湿度と気圧が違ってくると、一定時間の後には用紙が変質して自然発火するのじゃ。チーア卿は、さっきの装置で調べると、今飛行機にあれを積んでインド方面へ向けて飛行中だが、見ていなさい、あと三十分で飛行機は空中火災を起して墜落じゃ。泥棒にはいい懲しめじゃよ」
「へえん、それはそれは……」
ベラントとルスとは、目を三角にして、互いに顔を見合わせた。
「わしは元来淡白じゃ。