轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふゆのかじか
冬の鰍
佐藤 垢石
「釣趣戯書」三省堂、1942(昭和17)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,414 字 · 3 页
焼きからしを摺鉢ですり、粉にして味噌汁のだしにすれば、これまた素敵である。
さらに、背から開いて骨と頭と腸を去り、玉子に饂飩粉を薄くといた衣をつけて、天ぷらに揚げた味は、どんな種を持ってきても、これには及ばないのである。たっぷりと鍋にたぎる油に、ジュウジュウと落としても泡を立てつつ浮かび上がってきた天ぷらは、衣に波形の皺がよって――塩で食べれば大いにうまい。
甲州鰍沢の街は、笛吹川と釜無川と合して富士川になるのど口である。鰍沢というくらいであるから、昔は鰍が名物であったであろうと思う。しかし今では釜無川の鰍も笛吹川の鰍も珍味とはいえない。明治四十三年の大洪水で、水源林が坊主になるほど荒らされ、水量が減った上に水温が高まったためである。
だが石和町地先の、冬の笛吹川で漁れた鰍は食べられる。長者若尾家が華やかなりし頃はこの川の蟹喰いの沢鰻と共に、鰍の味を讃美したものである。