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ふゆをこすつぼみ

冬を越す蕾

宮本 百合子

「文芸」1934(昭和9)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,898 字 · 14 页

青空文庫

杉山氏は硬骨に、そういう態度に対する軽蔑をその文章の中で示しているのである。

プロレタリア文学の運動は、昨今、非常に意味ぶかい第二次的な発展的時期に入っているということは、広い目で見ると、逆に大宅、杉山両氏によって摘発されたもとの指導的評論家の退転という事実そのもののうちにも察しられるように思う。急激なテンポで進む情勢は、階級的文学をひどい勢で推しつつある。現在は、タイプとして新しいプロレタリア文学の活動家がまだ全貌を現すところまで成熟せず、健康な伝統と影響とは、勤労大衆のうちに文学的に未熟なものとして保有されている。いろいろな雑誌に対する読者からのこまかい反応を観察することによって、その事実は確信されるのである。

ところで、転向作家についての諸家の意見は、ある特殊な動機をもつもの以外に、大たい雅量と常識とをもって対する態度であるが、どの文章の中にも二つの共通した点が、強調されてあった。それは、これまでいわゆる転向に関しての作品を発表した幾人かの作者たちが、その作品の中で肝心なものであるはずの転向の過程と、それ以後の思想的傾向を明らかにしていないということである。