轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しょとうのにっきから
初冬の日記から
寺田 寅彦
「中央公論」1934(昭和9)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,930 字 · 20 页
ちょっとした考えの穴があると動くはずの器械が動かないのである。
靴磨きにアパートにおける殺人の嫌疑をかけるためには殺されるダンサーのアパートにその靴磨きをなんとかしておびき入れ、そうしてアパートにおける彼等の姿を確実に目撃した証人をこしらえておく必要がある。それでその手順の第一として先ず街上でダンサーに若い方の靴磨き田代公吉へモーションをかけさせ、アパートへ遊びに来ないかと招待させる。それをすぐオーケーとばかりに承諾しては田代公吉が阿呆になるからそれは断然拒絶して夕刊娘美代子の前に男を上げさせる。この夕刊売りの娘を後に最後の瞬間において靴磨きのために最有利な証人として出現させるために序幕からその糸口をこしらえておかなければならないので、そのために娘の父を舞台の彼方で喘息のために苦悶させ、それに同情して靴磨きがたった今、ダンサーから貰った五円を医薬の料にやろうというのをこの娘の可憐な一種の嫉妬をかりていったん謝絶させておく。そうしておいてから、田代公吉を縄張問題から同業の暴漢になぐらせ負傷させ卒倒させておいてそこへ前のダンサーを通りかからせ、そうして目的のアパートへ連れて行かせる。