轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はつこい

初恋

矢崎 嵯峨の舎

「都の花」1889(明治22)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,226 字 · 39 页

青空文庫

などと話していた,また娘は下を向いて膝を撫でていると、祖母と母とが左右からその貌を覗き込んで、何をか小声でたずねていた。自分は室を出てから、何を皆は話しているのか、なぜまた自分がいてはわるいのか? と思ッたが、なアに、思い込んだのではない、ほんの目の前を横ぎる煙草の煙、瞬きを一ツしたらすぐ消えてしまッた。

元来この日は、自分は何となく嬉しくいそいそとしていた、しかし何ゆえ嬉しかッたのかその理は知らなかッた、が何がなしに嬉しかッたので臥床へはいッてからも何となく眠るのが厭で、何となく待たるるものがあるような気がするので、そのくせその待たるるものはと質されるとなに、何もないので、何もないと知ッているが、そこが妙なわけで,夢現の間でたしかあるように思ッているので、どうも臥るのが厭であッた,それゆえ床の上に坐ッていると、そら、娘の姿がちらちら目の前に現われて来た。にっこりと笑いながら自分の手を打ッた時の貌、その目元、口元で笑いながら額越しに睨んだ貌、そのりきんだ目つき、まア何よりもその美しい姿容が目の前にちらちらし始めた。自分は思い出し笑いをしながら、息も静かにして、その姿が逃げて往かぬようと、荒く身動きもせず、そろそろ夜具の中へもぐり込んで、昼間打たれた手のところをそっと頬の下へ当てがッて、そのまま横になッた