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せいりょくのちゅうしんをぎかいにうつすべし

勢力の中心を議会に移すべし

大隈 重信

「新日本 第三巻第二号」1913(大正2)年2月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,243 字 · 17 页

青空文庫

然らば、この中心が憲法を実施されて後に如何様に変ったか。我輩の予期するところでは、もはや長く続くべきでない。今より大変化が来るべきであるとした。七百年来の封建政治を一変してすべての権力を中央に集め、新たに西洋の文物を採用して諸般の改革を遂ぐるという、驚くべきこの変化の際に於て、ついに国家統治の機関が根本から変ったんである。始めは寡頭政治であったのが、今は憲法政治となる。これは容易ならぬ変化である。今まで少数者に左右されていた政治の権力が、憲法の実施さるるや否や、普く国民に分配された。すれば、勢力の中心は当然帝国議会に移って然るべきである。然るに、これが移らんとして移らない。ここに於て、大政維新の際に現れた新勢力と帝国議会との間に衝突が起り、今なお勢力の中心は適当の地位を得る事が出来ずにいる。従来の勢力の中心は、初めは有効であったろうけれど、その有効の時代はもはや経過し去って、徒に形骸を留むるばかり、これがいわゆる閥族、もしくは元老というものとなって存在しているんであるが、帝国議会に国民的勢力を集中し得、そしてその勢力にして強くさえあれば、一時必要に応じて成立ったかくの如き勢力に代るは何でもない。