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せいりょくのちゅうしんをぎかいにうつすべし
勢力の中心を議会に移すべし
大隈 重信
「新日本 第三巻第二号」1913(大正2)年2月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,243 字 · 17 页
時勢がもはやその必要を認めぬのである。必要が無ければ消滅すべきであるのに、この理に当然消滅すべきものが今なお不思議にも政府と議会との間に介在し、消滅せんとしてなお余喘を保ちつつあるとは何事であるか。
帝国議会開けて二十余年を経たる今日、なおこの有様である。根本をいえば、薩長は無くなった。もはや島津、毛利等の大貴族の子孫の存在を、独り名誉上に認めて尊敬するまでであって、社会上、政治上には共になんらの勢力をも有しておらぬ。況んや、その他の幕府の三百藩は言うに及ばぬ。封建の勢力は即ち歴史に残るだけである。四十万の武士は全然無力である。士族という多少の名誉を保留しおる様であるけれども、しかし社会に於ける待遇は、今日士族も平民も違わない。無力なる事に於て、独逸あたりのフォンと大した変りはない。藩閥の勢力はかくの如くすでに亡びているけれども、人そのものは残っている。大政維新の時に随伴した人々がまだ幾らか残っている。しかし大部分は亡くなった。西郷以下の武断派を代表した人はまず亡くなり、次いで文治派の人も、即ち大久保、木戸というが如き人々もすでに三十年前に亡くなり、これを輔けた人々もまた多数は亡くなっている。