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せいりょくのちゅうしんをぎかいにうつすべし
勢力の中心を議会に移すべし
大隈 重信
「新日本 第三巻第二号」1913(大正2)年2月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,243 字 · 17 页
ただその僅かが残っているだけで、これが即ち今日の元勲である。
しかし、この元勲も死の運命が時々刻々に迫って、もはや自己今日の生命の維持にも困り、あるいは生活にも労れている。これが国家の大任に当ると言っても、当り得ぬのである。世間から見ると、山県〔有朋〕公〔爵〕の如き、野心あり、権謀術数あり、己の意の向うところに従い、君主の意思をも動かし、文人でも武人でも勝手に左右するというが如く、絶大の権力を振いおる様である。甚だしきに至りては、これを大御所とさえ言うんである。けれども、これは面り山県公を見た人の言う事ではない。面り見ると、もはや顔色憔悴、気息奄々としている。なんらさる大野心、大陰謀のあるべくもない。かくの如き墓場に近い人になんらさる事のあるべきでない。最も世には頑冥不霊死しても悟らずといって、悪い意思の強固な人も昔から有った様であるが、そういう人に限って強壮である。そう顔色憔悴でいなかろう。山県公は面りその顔色を見ると痛く窶れておって、どんな不人情のものでももはや同情を惜しむ事の出来ぬほどである。それから、大山〔巌〕とか井上〔馨〕とかいう如きは、左様の政治上の野心のある人でない。