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かがくちょうみりょう

化学調味料

北大路 魯山人

「星岡 37号」星岡窯研究所、1933(昭和8)年12月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 1,156 字 · 3 页

青空文庫

化学調味料も死んだ味を生き返らせる意味で、ある場合はよろしい。わたしのところでは百グラムのカンだと三年たってもまだなくならない。ほんとうに化学調味料を生かして使っているのは、わたしだけだといえるだろう。来客料理、あるいは、わたし一人の料理の場合に使ってはいるが、機微を得た使い方をして、生かしているのである。

化学調味料を使用すれば、不精者にはまことに都合がよろしい。だが、これらのひとびとは、味の低下をもたらす元凶だといいたい気がするのである。彼らは化学調味料の真の活用法を知らない徒輩といえよう。

昔、わたしが星岡で料理の講習をしていた時に「味の素」社長夫人が聴講生のメンバーに加えて欲しいといってきたことがあった。わたしはその時の講習で「味の素をなるべく使用するな、料理が台なしになる」といっていたのだから、夫人が満座の中でそれを聞くにたえないだろうと思い「あきらめなさい」と言付けたことがあった。

日本の食品材料には天与の美しい味がある。それは自然だから無条件で永続できるし、飽きることもない。天の与えた自然の味を確認し、これを充分に生かすことを考えて欲しい。