轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じゅうがつのぶんげいじひょう
十月の文芸時評
宮本 百合子
「東京日日新聞」1936(昭和11)年9月23~27、29日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,740 字 · 16 页
スペインのこんにちの燃え立つ階級間の争闘を、柳沢健氏が、その民族の持っている一本気で純朴で誠実な徳性によって、惨虐性にまで進められてあるのだと説明していることだけに(中央公論「西班牙を想う」)あきたりないと同じように。思想的・文学的な内容において情熱という言葉が日本に導き入れられたのは、北村透谷によってであったということは、意味ふかい一つの事実である。そして、同時代人の島崎藤村氏が、こんにち「夜明け前」を完成し、国際ペンクラブ東京招致に成功したりしているのは、その実際の生き方において透谷とは対蹠的な方法を選んだ計画性のためであることも、また、私どもにつたえられている日本文学の財産の性質を吟味する上に意味ふかいことである。
今日のヒューマニズムが、この人生と芸術とにおいて、人間生活に及ぼす作用において、感動と情熱とは同じものでない別個のものであるという、深刻な事実を、何かの形で会得させ得るとしたら、それだけでも、日本文学にある前進の足がかりを得たことになるであろう。歴史のぎりぎりのところへぴったり肩を入れて、押しつ押されつ生きること、摩擦に堪えその意味を知ること、その野暮さのうちにどのような美の可能、人間性の発露があるか。