轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちよこ
千世子
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第二十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年11月25日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 83,104 字 · 164 页
「ネエHさん、貴方この頃の文学をどう御思いになります? 私なんかあんまり放縦なしだらのないもんだと思ってますけど。近世文学なんて私大嫌です。だから此娘にもかぶれたりなんかしてはいけないって云って居るんです」
「中々むずかしい事ですネエ」
「斯うなんです。こないだ私がネ、ダヌンチオの『死の勝利』をよんでたんです、かして御らんておかあさんがおっしゃるからかしてあげたら『こんなものがこの頃はもてはやされるのかネエこんな事を書いてさ、だからこの頃の文学はいけすかない、第一かいて居る事からしていや味でサ』って云ってらっしゃったんです、だからそれででしょう?」
千世子は話があんまり前とつづきのないどう云う事からそんな話が起ったんだかHにわかりそうにもなかったんで説明した。
「ああそれでなんですか。私になんかよく分りませんけど、生活状態が段々複雑になって行くにつれてすべて行われる日常の事が段々色で云えば濃い色になって行くらしいんです、犯罪と云う事もぜいたくさでもなんでもがたしかにそうだと思えます、そして人間の心理状態がこまっかい切子のガラスの様になって行くんです、だから感情は益々鋭敏になる筈で、感じる事書く事が皆色の濃い鋭いつっこんだものになって行くんです。