轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちよこ
千世子
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第二十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年11月25日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 83,104 字 · 164 页
大変に遠い事の様でもあり近い事の様でもあり、Hはすきな人でありながらきらいな人の様に思ったり「どうしたんだろう」と思うほどいろんな事が考えられた。「Hが私のそばに居る居ないは私の生活に一寸した変化を与えただけの事で何にもそれ以上に私に関係のある事じゃあない――」
「Hは私がすきだと云う事より以上に進んでもしりぞいてもわるい人なんだキット。そう云う気がする。夢中になる恋なんてものは今の世の中にやたらにあるもんじゃなし、又そうでない恋をしたところでつまりゃあしない。顔一つ赤くしず考え深い目でお互の心を見合ってしずかな心で自然に接し詩を思い歌を思いして満足して居られるほどとびぬけてすんだ思想の恋仲かそれでなければお七の様にまじりっけのない夢中な恋ほかするものじゃあない、なまはんかのついちょっとの出来心なんかで必して恋をしたりするもんじゃあない、そんな恋のあとにはきっとにがい見むくのもいやなほど見っともないしがいをおきざりにしてあかんベエをしてにげて行ってしまうにきまってる」
「私はどんな事があってもHを恋はしない、若しそうなったら二人は不幸になるにきまってる――私の心の眼もにぶり目っくされの様になってしまうだろうから……」