轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちよこ

千世子

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第二十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年11月25日

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 83,104 字 · 164 页

青空文庫

母親は小器用な手をして海老のあげものをして居た。

「何? それが私に教える事?」

「オヤマア」と云う様に云った。

「お前知らないだろう? こんなもののあげ方なんか?」

「知ってますわ、その位の事、母さんは又お嫁のしたくにこんな事教えるなんて云っていらっしゃる」

キイキイ千世子は笑いながら茶の間にかけもどった、Hは西洋間に行ったと見えてそこには見えなかった。

小声にうたをうたいながら廊下をすべって西洋間に行った、長椅子の上にHはつっぷして居た。

「どうなすったの? 頭がいたい?」

Hの頭の弱いのを知って居る千世子はやさしく云った。

「いいえそんなじゃあない――ちょっとばかり」

Hは泣いたあとの様なこえで云った。千世子はHの思って居た事が大抵はわかったけれ共それをさける様に、

「いけない事――少し葡萄酒をあげましょう、そして頭を押してあげましょうねえ」

戸だなから千世子は小形のグラッスに白いブドウ酒をもって来た。

Hはそれを娘がする様におちょぼ口をしてのんだ。酒に弱いHの目のふちや頬はポーッと赤らんで来た。千世子はHの頭を両手にはさんで一寸の間押してやった。

「有難う、もうよくなりました」