轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

なんきょくのかいじ

南極の怪事

押川 春浪

「中学世界」1905(明治38)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,508 字 · 33 页

青空文庫

海苔は、決してこの近海に生ずる物ではない、南洋の海苔だ、南洋の海苔だ、このような海苔の生じているので見ても、この瓶のよほど古い物である事が分る、思うに難破船の甲板からでも投げたものだろう」と、さすがはポルトガル第一の科学者と云わるるほどあって、その着眼がなかなか鋭敏だ。博士は斯く云いつつ、瓶を差し上げて太陽の光線に透かしてみたが、

「オオ、あるある果してみょうな物があるある」と叫んで、好奇心は満面にあふれ、口栓を抜くのももどかしと、かたわらの巖石をめがけて投げつけると、瓶は微塵に砕け、なかから黄色い紙に何か細々と記した物が出て来た。

博士は急ぎ拾い上げ、鼻眼鏡を取り出して鼻にかけ、眉の間に皺を寄せながら熱心に読み始めた。なにしろ鉛筆の走り書きで、文字も今は朦朧となっているが、読む事数行にして、博士はにわかに愕然たる様子で、

「ホー、怪異! 怪異! 怪異!」と、あたかも一大秘密でも見出せしごとく、すぐさまその黄色い紙を衣袋に押し込み、物をも云わず、岬の上の別荘めざして駆け出した。

二人の娘は呆気にとられ、

「阿父様、なんですなんです」