轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

「少女倶楽部」1927(昭和2)年4月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 55,869 字 · 112 页

青空文庫

「これが有名な南蛮寺か」

「いや立派な伽藍ではある」

「作も随分変わっているなあ」

「莫大な費用がかかっているらしい」

賊どもは互いに呟いている。

蒼白くひろがった月光の中に、尖塔を持ち円家根を持ち、矗々と聳えている南蛮寺の姿は、異国的であって神々しい。

夜が相当深いので、往来を通る人もなく、夜警にたずさわる検断所の武士も、他の方面でも巡っているのであろう。ここら辺りには見えなかった。

「噂によれば南蛮寺には、大変もない値打ちのあるものが、貯えられているということだが、どうぞして内へ忍び込み、そいつをこっちへ奪いたいものだ」

こう考えたは一党の頭、すなわち星影左門であったが、手下の者を見廻した。

「誰でもよいから囲を乗り越し、内の様子を探って来い」

つまり命令を下したのである。

いつもは我武紗羅で命知らずで、どんな処へでも出かけて行く――そういう手下ではあったけれど、今度ばかりはどうしたものか、左門の云い付けを聞こうともしない。顔を見合わせて黙っている。

それには理由があるのである。

始めて眼にした南蛮寺、構造がまるで異っている。うかうか内へ入った処で、内の様子を探ることが、覚束ないように思われる。