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なんろ
南路
宮本 百合子
「太陽」1922(大正11)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,813 字 · 63 页
人格的に、無責任な、すれた一種の移民根性とでもいうべきもののみで、富を掻攫(かっさら)う姿は、心を傷ませる。それを見つつ、雑作なく「愛す」というのは、それだけ、彼等と直接でないことを意味する。実に、愛すのだ。けれども、実に恥じ、憤おろしく思う。
無意識のうちに、民族的絆を持っている自分は、人間として低級な、哀れむには余り依怙地(いこじ)な彼等を見ると、直ちに仲間を感じ、我々一体のために苦しい心持にならずにはいられないのである。
X氏夫妻の日本贔屓も、誠に感謝すべきだが、自分には、どこかにひどい無理があるのではないかと思われた。
ああいう者だけを見、そこから日本人というものを築きあげている彼等は、実際日本の風景も見ず、日本で文化や精神生活を支えている者達にも会わず、安心して日本を好いていられるのだろうか。
国際的な種々の感情で、同情や崇拝や義憤は、比較的誰でも持ち易いものだ。ほんとに或る民族の性格を理解し、積極、消極に働く力を知って友誼的公平の立場にあることは最も難かしい。
今夜、ロスアンジェルスを去るという晩、日本人街を歩いて見、暗い街路と沈鬱な雰囲気に、私は忘れ難い印象を受けた。