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げんしりょくのかんり
原子力の管理
仁科 芳雄
「改造」1946(昭和21)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,268 字 · 17 页
三 原子力の管理
そこで人道上の観点からも、国際平和の見地からも、どうしても原子爆弾の管理、従って世界平和の機構を樹立する必要に迫られるのである。それができなければ、原子力の平和的利用などを行った処で何の償いにもならない。
我が国の立場としては今後平和国家の建設に邁進する以外に他を顧みる暇はないが、列強の間に戦争でも起れば忽ち無辜の国土は戦場として利用せられ、真先に原子爆弾の蹂躙を受けなければならぬ。我が国の都市がこれに対して不利であることは前述の通りである。我々は孰れの国よりも先んじて原子力管理の必要を痛感するのは当然と云わねばならぬ。
三 原子力の管理
然らばこの管理を如何なる方法で実施すべきであるか。これは決して容易の問題ではない。これについては各方面から真面目な意見が沢山提案されて居る。それを大別すると理想論と現実論とになると云える。前者は議論としては筋の通った話であるが実行し難い憾みがあり、後者はややもすると世界を打って一丸とする平和国家建設の理想を阻害する結果を生むことになるのである。
先ず理想論としてはアインシュタインの提案がある。それは国際連合よりも更に有機的結合をもった世界政府を樹立して、これに原子爆弾の秘密を渡し原子力の管理をさせるというのである。