轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はんこう

反抗

豊島 与志雄

「国民新聞」1921(大正10)年8月4日~11月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 140,121 字 · 282 页

青空文庫

かと云って好きでもなかった。思い惑っていると、保子はまた云った。

「先にはそうでもなかったが、この頃隆吉に対するあなたの様子は変よ。一体どうしたというの?」

じっと彼を見てるその眼には、非難の色は少しもなかった。却って、庇うような温情が現われていた。周平は眼をつぶった。それをまた開いた。

「私は隆ちゃんを嫌いじゃありません。」と彼は云った。「ただ妙に愛せられないんです。離れていると何だか可哀そうに思われてきて、胸に抱きしめてやりたいような気持になりますけれど、側に行くと、急に小憎らしい……というより、気味悪いように思われるんです。頭がよくて悧口だけれど、余り無邪気な所のないのがいけないんです。向い合っていると、こちらの心の底まで見透されるような気がする時があります。そのために、私の方にもいろんな僻みが起るんです。余り考えすぎるからいけないんだとは知っていますけれど、隆ちゃんが始終暗い影を背負ってるように思われて仕方ありません。その影が……。」云ってるうちに周平は、持て余してる自分の心を保子の前にぶちまけてしまいたい気になっていった。「その影が私を脅かすんです。