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「こりゅうきゅう」
古琉球
伊波 普猷
伊波普猷『古琉球』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「古琉球」自序、「古琉球」改版に際して、琉球史の趨勢、浦添考、沖縄人の最大欠点、進化論より見たる沖縄の廃藩置県、土塊石片録。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,421 字 · 61 页
四書五経やその外賢伝の書は、いずれも誠意治国の事を述べたのである。然るに君は誠意治国の大主旨はそっちのけにして、道楽半分に書物を読み、文章を綴っている。これ畢竟身を忘れ、国を忘れる仕業で、芸人よりも遥に劣等だ……君がいくら書物を読んだといって、それは文字の糟粕を嘗めたまでで、その内の真味を味わったのではない云々」という言を聞いて、夢の醒めたように自覚したのであります。一度自覚して見ると、彼れの目に始めて影じたのは、その母国琉球の憐れなる境遇であったのであります。世に酔生夢死の同胞の真中に独り醒めている人ほど寂寥を感ずる者はありますまい。蔡温は旅寝の空に幾度か、かかる悲哀を感じたのでありましょう。彼はかかる時父母の国を救うべき責任を一層強く感じたのでありましょう。彼れは常にある問題(多分琉球を如何にして経営すべき乎という問題)を念頭に置いてあらゆる本を読み、あらゆる事物に対したのであるから、あらゆる知識は能く消化されて、彼れの頭脳は多角的となったのである。また支那滞留中『一切経』さえも読破したといっている。かかる種類の人は時勢の解釈者としては最もふさわしい人であります。