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あいえんきえん
合縁奇縁
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1950(昭和25)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,349 字 · 23 页
と河合君は言い悪そうに切り出した。僕はハッと思った。余りスル/\ッと簡単に定ったから、澄子さんは美貌にもかゝわらず、疵物で、何か身体に故障があるのかと疑ったのである。
「何だい? 一体」
「実は君が厭がるといけないと思って差控えていたが、澄子さんの家はお寺だよ」
「えゝ?」
「人によると、自分の思っている女性がお寺の娘だということを発見すると陰気な感じがする。実は僕もそうだった」
「えゝ?」
「話が定ってから、実は恒子さんのところはお寺ですけれどもと仲人に言われたんだ」
「君の奥さんのところもかい?」
「うむ。里帰りに作州津山までついて行ったが、お寺だって、普通の家庭と些っとも変るところはない」
「ハッハヽヽ」
「庭は広くて、少し閑静な心持がするくらいのものだ。澄子さんのところは隣り合せだそうだが、こうなると思わなかったから、よく見て来なかったけれど、矢っ張り大きな庭があるようだったよ」
「ハッハヽヽ」
「何だい?」
「妙なものだな。世の中は」
「何故?」
「何故って。ハッハヽヽ」
と僕は可笑しくて仕方がなかった。
(昭和二十五年二月、キング)