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どうしこばやしのぎょうせきのひょうかによせて

同志小林の業績の評価に寄せて

宮本 百合子

誤れる評価との闘争を通じて

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,194 字 · 11 页

青空文庫

的日和見主義と闘い、それを克服することを緊急事とした。特にこの点における同志小林の指導的理論家としての功績を無視し、あるいは過少評価してぼやかすことは、そのこと自身誤った右翼的危険を示すものなのである。

最後に、同志小林の業績を評価するに当って、その発展のスプリングを、抽象化された性格に置こうとする誤った見解が存在する。同志貴司の『改造』四月号における「小林多喜二の人と作品」は、この危険を最も顕著に代表するものである。同志貴司は、同志小林の卓抜な闘志、前進性などの根源を同志小林のゆるがぬ党派性の上に認識せず、具体的な革命的実践と切りはなして、「鼻っ柱」のつよさ、「強がり」、「偏狭性」、「馬車馬的な骨おしみ知らず」、「田舎者の律気」などに還元している。そして「かれが積極的になる時、飛躍する時、かれの性格の唯一の欠点である偏狭性が跳梁した」というに至って、誤謬はデマゴギー的性質にまで発展しているのである。この論法をもってすれば、同志小林が残虐きわまる拷問にあいつつ堅忍不抜、ついにボルシェヴィキの党派性を死守して英雄的殉難を遂げたそのボルシェヴィクの最後の積極性が発揮された時こそ、同志小林は最も偏狭であったということになるのだ。