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よんじゅうはちにんめ

四十八人目

森田 草平

「改造」1929(昭和4)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 56,183 字 · 112 页

青空文庫

「そうだ、高田郡兵衛が最初の脱盟者になって、俺が最後の脱盟者になる? そんなことはありえない、断じてあってはならない!」

彼は一晩中輾々反側して、やっと夜明け方にうとうととした。

九

師走の二日には、深川八幡前の一旗亭に、頼母子講の取立てと称して、一同集合することになっていた。討入前の重大な会議のこととて、その日は安兵衛も、勘平も、小平太も打揃うて午過ぎから出かけた。

頭領大石内蔵助も定刻前から子息主税を連れて遣ってきた。そのかたわらには、吉田忠左衛門を始めとして、原総右衛門、小野寺十内、間瀬久太夫などの領袖連が坐流れた。で、一同の顔も揃って、いよいよ会議に入ろうとする段になっても、どうしたのやら、一足後れてすぐ後から来るはずになっていた小山田庄左衛門の姿が見えない。すでに同宿の者の中から二人まで裏切者を出していることとて、安兵衛も、勘平もしきりに気を揉んだ。中にも勘平は、自分が一走り行って見てきよう、そこらにまごまごしていたら引掴んで連れてくるとまで言いだした。が、吉田忠左衛門はしずかにそれを制して、

「この場に莅んで変心するような臆病者をむりに引張ってきてもしかたがない。