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こくみんきょういくのふくほんい

国民教育の複本位

大隈 重信

日本女子大学校第一回創立披露会での演説、1897(明治30)年3月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,417 字 · 11 页

青空文庫

ここに於て私は熱心に成瀬君の説に同意した。それ故私は教育の事には少しも経験もなければ学問も無いに拘わらず、熱心に成瀬君のために労を取って、出来るだけ力を尽してこの大学を成立せしめて将来の繁栄を望み、この大学の力を以て将来女子教育に及ぼす所の感化力を益々大にして、我が国の女子教育の程度を進歩発達せしめたい。その成功をこの学校より起すことを望んで、力を尽す心得で賛成致した訳でありますから、もし諸君がご同感ならばお互いに充分力を尽してこの学校の事に尽力せられんことを希望致します。

一体教育家はただこれ一の事業家であって、賛助員諸君はその資本家であります。たとい教育家にして志望に満ち、精神に溢れ、赤誠に富みまするも、教育事業の資本家たる諸君の助力微りせば、あたかもこれ糧食なくして戦陣に臨むと一般で、如何なる勇将猛卒も能くその功を奏する事ができざる如く、教育事業も挙がらぬということは瞭然火を見る様であります。

今それ女子教育の国家に必要なる――日本女子大学校設立の日本女子教育に必要なる、既に前段述べた通りであれば、諸君のこれを賛助せらるるの必要は申すまでもなく、その日本女子大学校の設立せらると否とは、まことに賛助員諸君の意向如何に存すと言って宜しいのでありますまいか。