轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
トソンラン
土城廊
金 史良
「文芸首都」1940(昭和15)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,752 字 · 52 页
大空から一羽の鷹が翼を拡げて屠殺場へと下りて来た。貪婪な嘴を突き立てて四面を一渡り円舞し、急に首を丸め爪で嘴をとぎながら扇子のように拡げた翼をとじて直下の姿勢をとった。矢のように早い。だが小豚の群の近くまで下りて来たかとみると、そのまま体を吹き上げて遡り空高く遠い方へと飛んで行く。空にはもはや密雲はなく、水野の上を濡れた湿っぽい風が漂うばかり。何万という程の蜻蛉は土城の上を網でも張ろうとするように、すいすいと飛び交っている。
元三は何事も手につかなかった。爺は時々溜息をつき石油箱の中に木枕や、やぶれゴム靴や、醤油漬のようになった足袋などを入れながら立退きの準備をした。それでいてどうしても敷莚を畳んで他の人のようにさっぱりと引き払うことは出来なかった。城内に貸部屋をきめた訳でもないのだった。だがこの二三日来元三はどんなに街の中を徨い人の家を質ね廻ったことだろう。
「部屋を貸して下せいまし」爺は何度も腰を曲げ手を揉んで頼んだ。
自分には月四五円の部屋代位は訳なしに払えると思っているのだった。だが誰一人も彼に取り合ってはくれない。一度は或る没落した家の婆さんが胡散臭そうに、