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ちじょう
地上
島田 清次郎
地に潜むもの
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 175,250 字 · 350 页
の想いに瞳を輝かせたりして響きの懐かしい鐘の音を待った。(本当の精神的な力はどうか知らない。温かい若々しさに恵まれていることはたしかだ。)ああ、そう考え批判しているとき、澄んだ朝の空気を顫わせる始業の鐘の音は忘られないものだ。それは急きたてる鐘の音でない。懐かしい暖かい聴く者の心に悦びを呼び起こす。そうして集まらずにいられないような鐘の音であった。鐘の音につれて人達は一人一人自分の教室へはいる。平一郎の教室は階下の東端で、窓から広い運動場を越えて神学部の渋赤いギリシャ風の建物が見え、そして明快な心持の部屋だった。平一郎にはあまりに軽快すぎるような気もしたが悪い気はしなかった。彼が教授を受けながら感じた歓喜は、この学校に溢れる「若さ」であった。教師の多くは大学を卒業したばかりの、東京に踏み止まってもっと勉強しようとしている青年が多かった。数学の教師のO氏は、現に数学の哲学的根拠の意義について日本未曾有の論文を創作中であり、また彼は音楽の能才で教会堂のピアノは大抵彼が演ずるのである。西洋史の教師のM氏は、まだ本当の文学士ではなく七月にならなければ大学を出られないのだが、坊っちゃんじみた腕白気のある彼はよく平一郎の横の机の上に腰かけて、