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『ちきゅうとうなん』のさくしゃのことば

『地球盗難』の作者の言葉

海野 十三

「地球盗難」1937(昭和12)年4月5日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,196 字 · 11 页

青空文庫

実に残念であった。前にもいったとおり昭和二年のことだった。

『壊れたバリコン』は昭和三年五月「無線と実験」に載ったものであるが、これこそは実に僕の科学小説の処女作である。実をいえば、これを書いたのは昭和二年のはじめであって、書いた動機は、その頃「科学画報」に科学小説の懸賞募集があったので、それに応じたというわけであった。そのときは『或る怪電波の秘密』といったような題であったが、これが見事に一等二等を踏みはずし、選外佳作となった。しかし何分にも選外にでも入るとは想像していなかったので、その発表の出たときは誌上にわが名を発見して非常に嬉しかったものである。小説を作る度胸は、このときに出来たといっても過言ではない。なおそのうえ僕を楽しませたものは、そこに書かれてあった数行の作品批評であった。詳しいことはもう忘れちまったが、何でも「思いつきは鳥渡面白いが、いろいろ幼稚で成っていない。もっと勉強しろ」というようなことが書いてあったように思う。これを読んで、よし大いに勉強してこの次は入選するぞと興奮したことであった。後年「無線と実験」で乞われるままに、これを誌上に送ったが、いくぶん手を入れ、また落選作と分っては極りがわるいので題名を『壊れたバリコン』