轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じしんざっかん

地震雑感

寺田 寅彦

「大正大震災誌」1924(大正13)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,030 字 · 10 页

青空文庫

。

震源の所在を知りたがる世人は、おそらく自分の宅に侵入した盗人を捕えたがると同様な心理状態にあるものと想像される。しかし第一に震源なるものがそれほど明確な単独性をもった個体と考えてよいか悪いかさえも疑いがある、のみならず、たとえいわゆる震源が四元幾何学的の一点に存在するものと仮定しても、また現在の地震計がどれほど完全であると仮定しても、複雑な地殻を通過して来る地震波の経路を判定すべき予備知識の極めて貧弱な現在の地震学の力で、その点を方数里の区域内に確定する事がどうして出来よう。

いわんや今回のごとき大地震の震源はおそらく時と空間のある有限な範囲に不規則に分布された「震源群」であるかもしれない。そう思わせるだけの根拠は相当にある。そうだとすると、震源の位地を一小区域に限定する事はおそらく絶望でありまた無意味であろう。観測材料の選み方によって色々の震源に到達するはむしろ当然の事ではあるまいか。今回地震の本当の意味の震源を知るためには今後専門学者のゆっくり落着いた永い間の研究を待たなければなるまい。事によると永久に充分には分らないで終るかもしれない。