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こうふ

坑夫

夏目 漱石

深更半夜一个人走在松树林里,又累又困还没钱,突然茶店老板回头冲你一笑……这到底是要去哪?前方有啥在等着?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 141,690 字 · 283 页

青空文庫

自分はくさくさしたが、できるだけ何喰わぬ顔をして、邪魔にならないような所へ坐った。すると始まった。皮肉だか、冷評だか、罵詈だか、滑稽だか、のべつに始まった。

一々覚えている。生涯忘れられないほどに、自分の柔らかい頭を刺激したから、よく覚えている。しかし一々繰返す必要はない。まず大体昨日と同じ事と思えば好い。自分は急に安さんに逢いたくなった。例の夕食を我慢して二杯食って、みんなの眼につかないようにそっと飯場を抜け出した。

山中組はジャンボーの通った石垣の間を抜けて、だらだら坂の降り際を、右へ上ると斜に頭の上に被さっている大きな槐の奥にある。夕暮の門口を覗いたら、一人の掘子がカンテラの灯で筒服の掃除をしていた。中は存外静かである。

「安さんは、もうお帰りになりましたか」

と叮嚀に聞くと、掘子は顔を上げてちょいと自分を見たまま、奥を向いて、

「おい、安さん、誰か尋ねて来たよ」

と呼び出しにかかるや否や、安さんは待ってたと云わんばかりに足音をさせて出て来た。

「やあ来たな。さあ上れ」

見ると安さんは唐桟の着物に豆絞か何にかの三尺を締めて立っている。まるで東京の馬丁のような服装である。