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こうふ

坑夫

夏目 漱石

深更半夜一个人走在松树林里,又累又困还没钱,突然茶店老板回头冲你一笑……这到底是要去哪?前方有啥在等着?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 141,690 字 · 283 页

青空文庫

実は鉱山の出張所でもこの町にあって、まずそこへ連れて行かれて、そこからまた役人が山へでも護送してくれるんだろうと思っていた。

そこで停車場へ這入る五六間手間になってから、

「長蔵さん、汽車に乗るんですか」

と後から、呼び掛けながら聞いて見た。自分がこの男を長蔵さんと云ったのはこの時が始めてである。長蔵さんはちょっと振り返ったが、あかの他人から名前を呼ばれたのを不審がる様子もなく、すぐ、

「ああ、乗るんだよ」

と答えたなり、停車場に這入った。

自分は停車場の入口に立って考え出した。あの男はいったい自分といっしょに汽車へ乗って先方まで行く気なんだろうか、それにしては余り親切過ぎる。なんぼなんでも見ず知らずの自分にこう叮嚀な世話を焼くのはおかしい。ことによると彼奴は詐欺師かも知れない。自分は下らん事に今更のごとくはっと気がついて急に汽車へ乗るのが厭になって来た。いっその事また停車場を飛び出そうかしらと思って、今までプラットフォームの方を向いていた足を、入口の見当に向け易えた。しかしまだ歩き出すほどの決心もつかなかったと見えて、茫然として、停車場前の茶屋の赤い暖簾を眺めていると、いきなり大きな声を出して遠くから呼びとめられた。