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こうふ

坑夫

夏目 漱石

深更半夜一个人走在松树林里,又累又困还没钱,突然茶店老板回头冲你一笑……这到底是要去哪?前方有啥在等着?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 141,690 字 · 283 页

青空文庫

自分の方から云うと、先へ行く赤毛布が目標である。夜だから赤くは見えないが、何だか赤毛布らしく思われる。明るいうちから、あの毛布、あの毛布と御題目のように見詰めて覘をつけて来たせいで、日が暮れて、突然の眼には毛布だか何だか分らないところを、自分だけにはちゃんと赤毛布に見えるんだろう。信心の功徳なんてえのは大方こんなところから出るに違ない。自分はこう云う訳で、どうにか目標だけはつけて置いたようなものの、長蔵さんに至っては、どのくらいあとから自分が跟いてくるか分りようがない。ところをちゃんと五六間以上になると留まってくれる。留まってくれるんだか、留まる方が向うの勝手なんだか、判然しないが、とにかく留まることはたしかだった。とうてい素人にゃできない芸である。自分は苦しいうちにも、これが長蔵さんの商売に必要な芸で、長蔵さんはこの芸を長い間練習して、これまでに仕上げたんだなと、少からず感心した。赤毛布は長蔵さんと並んでいるんだから、長蔵さんさえ留まればきっととまる。長蔵さんが歩き出せば必ず歩き出す。まるで人形のように活動する男であった。ややともすると後れ勝ちの自分よりはこの赤毛布の方が遥に取り扱いやすかったに違ない。