轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きょうかいなきさべつ
境界なき差別
丘 浅次郎
「心理研究 第10巻」1916(大正5)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,992 字 · 18 页
また電灯が消えて、暗くなるときにはあたかも日が暮れて夜となるときと同様な移り行きを感ずるであろうから、とうてい明らかな境界を定めることはできぬに違いない。
なお通常相対立させて用いている言葉の中には、実際対等でないものがいくらもある。例えば動と静というごときはその一で、世人は一般に動と静とを相反するものとして、その間に確かな境界があるごとくにみなしているが、よく考えてみると、動という中にははげしい動から、微かな動まで無数の階級があり、微かの極に達した所がすなわち静であるから、動と静とはけっして相対立せしむべき性質のものではなく、静はむしろ無数に変化のある動の中の一の特殊の場合とみなすべきものであろう。曲と直というのもこれと同様で、曲という中には、はなはだしい曲からきわめて微かな曲まで無限の変化があり、もっとも微かな曲がすなわち直であるゆえ、直はむしろ曲の中の一種ともみなせる。有と無との区別も、そのとおりで、有の方には明らかに有るのから微かに有るのまで無限の階級があり、その一方の端が無であるから、前と同じ筆法で論ずれば、無は当然有の中の一種と見ねばならぬ。