轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こわれたバリコン

壊れたバリコン

海野 十三

「無線と実験」1928(昭和3)年5月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,132 字 · 23 页

青空文庫

であろう煩雑さを考えると、交番へ訴え出ることを躊躇せずには居られませんでした。

僕は決心して近所のタクシーを叩き起しました。それから自動車を長舟町の憲兵隊本部へ飛ばせました。自動車は物凄い唸りをたてて巨大なる建物の並ぶ真夜中の官庁街を駆け抜けて行きました。

軈て僕の乗った自動車は三十哩の最大速力を緩めると共に一つの角を曲りました。警笛を四隣のビルディングに反響させ乍ら、自動車は憲兵隊本部の衛門の前、数間のところに止りました。車から降りる時、歩哨の大きい声が襲いかかって来ました。見ると半身を衛門の上に輝く煌々たる門灯に照し出された歩哨が、剣付銃をこっちへ向けて身構えをしていました。

「何者かアーッ」

と又歩哨が叱鳴りました。僕は、

「至急当直将校に会わせて下さい。内容はお目に懸らなければ言えませぬ。早く願います。僕の名刺が此所にあります」

と私は学生の肩書のついた名刺を出しましたことです。歩哨は僕の年若さと、学生服とに好意をよせたものか、二三の押問答の末、折から衛門から我々の声を聞きつけて飛び出して来た僚兵に僕を当直将校室へ案内することを命じて呉れました。